フィトンチッドの効果は消臭力 「腐った死体」も無臭化

フィトンチッドの効果は消臭力 「腐った死体」も無臭化

フィトンチッドのせいで、青木ヶ原樹海の死体は見つからない

フィトンチッドの凄さを語るのに、とても悪趣味な事例がある。

 

自殺の名所、富士の青木ケ原樹海で死体が見つかりにくいのは、

 

フィトンチッドの消臭力と殺菌力で、臭いと腐敗菌がなくなるからだ、というのだ。

 

以下は、2006年の古い記事。

 

関連)歯科領域における 天然素材フィトンチッドの新活用 フィトンチッド研究会

 

だが、確かに森の中では、いろんな果実や動物の死体、ウンコなどが散乱しているにしては悪臭がしないのは確かだ。

 

フィトンチッドについて、もう少し詳しく調べていこう。

 

フィトンチッドは殺しの香り

NHKのテレビ番組「チコちゃんに叱られる」で紹介されていた。

 

ロシア語で、「フィトン」は植物、「チッド」は「殺す」だというのだ。

 

フィトンチッドとは、植物が天敵の害虫や細菌、カビなどを殺すために出す揮発性の成分全般を指す。
化学用語で言うと、テルペン類と呼ばれる有機化合物なのだそうだ。

 

チコちゃんに叱られる 森のニオイってなんの匂い?f

 

フィトンチッドの面白いところは、天敵を遠ざけたり殺菌したりするだけではなく、モンシロチョウや果実を食べる動物を呼び寄せる点。

 

花粉を運んでもらったり、果実を食べさせて種を拡散させたいからだ。

 

フィトンチッドは高濃度だと人体にも有害なのだが、森の空気のフィトンチッド濃度程度だと、逆に人間は気分が良くなるのだそう。

 

フィトンチッドが人体に有害になる量は約9.5gだが、森の空気の含有量は1億分の1~10億分の1。1,300年分の呼吸を一瞬でしないかいぎり有害にはならない計算だ。

 

テルペン類って、具体的に何?

フィトンチッドの正体はテルペン類っていうけど、そんなこと言われてもわからない。
もっと踏み込んで調べてみた。

 

すると、αビネン、リモネンなどの成分だというのだ。

 

ダメだ、余計にわからん。

 

平たく言うと、イチョウ、柿の葉、クワの葉、ヒノキ、サクラの葉、シラカバ、どくだみ、ユズ、レモンなどに含まれている成分なのだそうだ。

 

ああ、食あたりを防ぐために、食べ物に添えられてる植物ってことなのかな。

フィトンチッドを使った消臭商品

フィトンチッドがそんなに優秀なら、消臭製品も色々出てるでしょ。

 

でも、効いたこと無いよ!本当なの!?

 

調べてみたら、色々販売されていた。
私が知らないだけだった。

 

フィトンチッドキャンディー 口臭対策

フィトンケアという商品名で、販売されていた。

 

 

食べると口内のアンモニア量が8割減、消臭効果が6時間続くという。

 

ただ、計測方法は「舐めずに口の中で自然に溶かした場合」だそうで、実際の効果は2時間くらいだそう。

 

フィトンアルファ 洗濯の生乾き臭対策

 

生協などにも売っている、環境にやさしい洗濯補助剤。

 

生乾き臭の原因になる雑菌を殺菌するため、臭いが激減する。木の香りがほんのり。

 

アレルギーのある人、安全志向の人に選ばれている。

 

「ゴミ箱用」もあって、ゴミ箱のフタの裏に貼るシート方式で、生ゴミ臭を除去できる。

 

なお、生協では注文できるタイミングが限定されてて、欲しい時に買えないケース有り。

 

フロレスタ 業務用消臭剤 猫カゼのウイルス除去に使う人多数

 

フィトンチッド消臭剤なのだが、ペットの居る家庭で獣医師がひそかにオススメしているらしい。

 

猫カゼが長引いているときに使うと、ウイルスを除去してくれるのだそうだ。

 

口コミ数が少ないので、実際どの程度の効果があるのかは不明。

 

使うと一瞬木の香りがするが、すぐに無臭になるそう。

 

「木の酸っぱい臭い」「木酢液のにおい」「木が焦げた臭い」「線香の匂い」がするという声も。

 

あくまで消臭、とてもよい匂いがするわけではなさそう。

人体に役立つ効果 NK細胞活性化など

フィトンチッドは「森林医学」というジャンルで研究されている。

 

森林医学研究会

 

「森林浴は体にいいぞ―」ということを、具体的に研究している。

 

フィトンチッドは、人体のナチュラルキラー細胞を活性化させたり、うつ病を予防する効果があるというのだ。

 

近くに森がない場合は、ただ公園を軽く散策するだけでもある程度の効果があるというから驚き。

 

移動するなら、なるべく木がある公園を通ろう、と思った。

 

未病ケアジャーナル2019年4月号には、森林医学研究会の代表・李卿博士の記事が掲載されるなど、注目も高まっている模様。

 

未病ジャーナル 2019年4月